嘘から始まる恋煩い!(前編)

『いいよ別に俺は。』
『まあでも、姉ちゃんも疲れたよね?俺も一人寂しく寝るから。どこかの誰かさんによって諭されちゃったし。』
『おやすみ。時差ボケとか、気をつけてね。なんかあったら俺が相談相手になるから。』
若干トゲトゲしい文になっていて、おかしいことを言ったかなと思って自分の文を見返しても、特におかしいところはなし。
私は首を傾げつつ、おやすみという言葉とかわいらしい猫のスタンプを送っておいた。


「わぁ、結構いい部屋~!」
学校の修学旅行の宿だから、あまりすごいものではないんだろうなと思っていたけれど、予想以上に快適そうでテンションが上がる。
部屋は2つあって、1つが寝る場所、もう1つはバスルームと質素な造りになっていた。
やっぱり海外なだけあって、布団を敷くのではなく、ベッド形式なんだろうなぁ……と思っていたんだけど。
寝室に先に入っていた由羅ちゃんと真帆ちゃんが、部屋の入口で突っ立っている。
私がどうしたのかと思い、慌てて2人のほうへ駆け寄ると、真帆ちゃんが眉をしかめて、小さくつぶやいた。
「あれ、2段ベッド……?」
つられて私が部屋の中を覗くと………。
2段ベッドが2つ、部屋にちょこんと置かれていて、残りは何もなしの空虚なスペース。
「いや殺風景ッ⁉」
私の率直な感想が、思いっきり漏れてしまった。

やっぱり学校の修学旅行だから、そんな期待するべきじゃなかった……と学んだ経験になった。