嘘から始まる恋煩い!(前編)

私、自分でも気づかないうちに桐山を傷つけてしまっていたんだと思うと、今までの罪悪感で心が押しつぶされてしまうような感じがする。
でも、その原因は紛れもなく私が桐山を見ていないから。
私だって想像はできる。もし私に好きな人がいて、がんばってアプローチしているのに、全く届かないことがわかったら……。
たぶん、きっと私の想像以上に苦しいんだろうな。
だけど………、どうしても桐山のことは男の子として見れない。
確かに、彼から好きって言われるのは素直に嬉しい。自分の存在を認めてもらっていることが実感できるし、彼の行動の端々から、彼の本気さがわかる。
(でも…………ダメなんだよ……桐山じゃないんだ。)
そこで、私はふと夢から目が覚めるような感覚がした。

(………なんで?)

なんで私、桐山じゃダメなの?
優しいし、一途だし、もし彼と付き合ったら、私は多分幸せになれると思う。
なのになんで、私は彼の気持ちにこたえられないの?だって私、好きな人いないはずなのに。
だったら、誰がいいの………?
そこまで考えたところで、1人の男の子の顔が思い浮かんだ。
焦げ茶色の髪に、ちょっとクールそうな……。
(まさか。)
そこまで考えたところで、私は無理やり思考を中断させた。

………これ以上思いを巡らせたら、気づきたくないことに気づいてしまうような感じがしたから。