嘘から始まる恋煩い!(前編)

「はぁ………。」
「もう、美亜ちゃんっ!飛行機に乗る前まではあんなに元気だったのに、どうしたの⁉なんかあった?」
「ううん……、何もないよ……ちょっと疲れちゃっただけ……。」
「そう?なんか具合悪くなったら遠慮せず言ってね?」
「あーうん。ありがと………。」
あの後はあっという間だった。
結局眠れなくて目をずっとつぶっていたら、気づけば2つ目の機内食がやってきていて。
数時間前までは笑顔で話していた桐山とは何も話せず。
耳がキーンとするなぁ……って思ったときには、着陸時間になっていた。

そしてそのままキャナダの空港に着いて、今は宿舎まで行くバスの中。
3人だと、2人席のバスの時に1人余っちゃうから、公平なじゃんけんで負けた真帆ちゃんが他の子と一緒に座っている。
隣では由羅ちゃんが心配そうに私を見ていて、なんだか申し訳なくなってしまった。
私ももちろん、できれば元気にふるまいたい。これからの1週間、台無しにしたくないし。
でも、そんな簡単にできないよ………。
だって、桐山のあんな表情、初めて見たもん。