嘘から始まる恋煩い!(前編)

俺がふざけてそう笑ったとき、突然飛行機がごぉっと勢いを立てはじめた。
「「……あ。」」
そう2人呟くと同時に、体に圧がかかり始める。
「わ、ぁぁ……!離陸ってこんな感じなんだね!なんかドキドキするかも!」
隣では雨音が興奮したように笑いながら窓の景色を眺めている。
俺はその横顔を、じっと見つめていた。
……こうして隣で雨音の笑い顔を飛行機で見られることなんて、もうないかもしれないから。
帰りは違う座席になるし、さすがに2回連続で席が雨音と隣になることは考えにくい。
いや、ありえなくはないのかもしれないが、もしあったとしたら逆に運が強すぎて心配になる。
外はまだ午前で、太陽がキラキラ……ギラギラと輝いている。
でも、その光を受けていつもより目が輝いているような雨音を見て、俺は頬を緩めた。


飛行機が離陸してしばらくすると、機内食が運ばれてきた。
俺は、食べるのが好きなので、内心では結構喜んでいた。
今回出されたのは、鶏肉のソテーとマッシュポテト、付け合わせの野菜にデザートだった。
隣では雨音が目に見えてはしゃいでいるのがわかる。
「うわぁ……!ソテーとか好き!おいしそう~!」
「めっちゃはしゃいでんな。食べるの好き?」
「うん、大好き!私、おいしそうなもの見たらすぐおなかすかせちゃうんだ~。」
「同じく。見かけによらず食いしん坊なんだな。」
またひとつ、雨音の一面を知れた気がして嬉しい。
「うん……ってそんな私少食に見える?」
「見える見える。でも、たくさん食べる人って俺好き。」
これは言ったらキモくなるかもしれないから言っていないけれど、雨音って細いし。華奢で、抱きしめたら壊れるんじゃないかって思う。