嘘から始まる恋煩い!(前編)

飛行機に搭乗してから、あっという間にやってきた離陸時間。実は俺は、この時間が一番好きだったりする。
ジェットコースターみたいに体に圧が加わって、地面を離れた瞬間に、ふっと足が浮くようなあの感覚が好きだ。
「雨音、大丈夫?怖くない?」
「うん、全然。私絶叫系好きだから!」
……いや、絶叫系と飛行機の離陸は関係あるようなないような……。
もし飛行機が絶叫系に似ていたら、怖すぎてみんな乗っていないだろう。いきなり急上昇とか怖すぎる。
「そ、そうなんだ。ちなみに俺も絶叫系好き。お化け屋敷とかもいけるよ。雨音は?」
「え゛っ……、お化け屋敷?い、いやぁあはは……。」
俺がお化け屋敷といった瞬間、雨音の肩がピクリと跳ね上がった。
そのまま怯えた表情をこちらに向けてくる。
それだけで、俺はすぐに悟った……というか、『知っていた』。
「……ふぅん。苦手なんだ?」
「い、いや、別に苦手じゃ……。」
強がる雨音がいじらしくて、つい嗜虐心が煽られる。
「その割には、伏見と前行った映画館では、ホラー映画怖いのに見た結果、その日は寝られなかったんだろ?」
俺が口角を上げながらそう問うと、雨音はみるみるうちに、さっきのように顔をリンゴみたいに赤くしてしまった。
「………~っ!そうだったぁ、清羅がそのこと桐山に言ってたんだぁ!き、桐山、まさか知ってて……っ。」
「いやぁ、ごめんって。つい、ね。」