嘘から始まる恋煩い!(前編)

俺はその話を聞いたとき、はらわたが煮えくり返るように感じた。
今日一日一緒にいて、特にそんな気配はなかった。
男好きっていうより、ただ全員に平等に接しているだけのように思える。
実際、他の委員の女子とも仲が悪そうには見えず、愛想よく会話していた。
雨音のことを初めて知った俺でも、彼女が悪い人じゃないのはわかるのに、彼女はそんなデマを言われているのか……?
俺が雨音の立場だったら、耐えられない。
だから、そんな雨音のそばにいたい……、もし彼女が辛い思いをしているときには、俺が一番近くで支えていたい、そう思った。

「……ははっ、懐かしいな。」
去年はクラスも違うし、好きになった当初はほぼ接点がなかった俺らだけど。今は部活も同じで、簡単に話せる仲になっている。
それに告白もして、少なくとも前よりかは意識……されるようになったと思っている。いや、そうでないと困る。
そんなことを考えながら、友達と談笑していると、ついに飛行機の搭乗時刻になった。
飛行機の席は決まっているけれど、まだ隣は誰かわかっていない。学校側がランダムに組んで、実際に搭乗するときにわかるしくみになっている。
俺はたぶん、通路側の席だ。……おそらく、2人席。窓側は誰かな……知っている人だといいんだけど。
そうのんきに考えていた俺のメンタルは、数分後に良くも悪くも崩壊することになる。