嘘から始まる恋煩い!(前編)

姉ちゃんと別れた後、おれはすぐに姉ちゃん不足で倒れそうだった。
我ながらにもう重症だと思うが、それだけ好きなんだからしょうがない。
さっき抱きしめられたとき、おれは危うく気絶する寸前だった。

姉ちゃんの匂いが、温もりが、すべてが……………おれの心を掴んで離さない。
触れられるだけで胸が高鳴って、それでも姉ちゃんがおれのことを恋愛的には好きになってくれないということがわかると、胸がどうしようもなく締め付けられるみたいに苦しくなる。
これ以上おれの心を翻弄しないでほしい。もうすぐで理性がはち切れそうだ。
実際、抱きしめられたのが空港じゃなくて自室だったら、間違いなく押し倒すところだった。
「…………はぁ。マジでやばいな、おれ。」
そんな汚れた思考しか浮かばないおれの頭にも、ため息をつかざるを得ない。
こんなんで1週間、大丈夫だろうか。荒れまくる未来しか予想できない。
おれは気持ちを一旦リセットしようと思って、すぐ近くにあった自販機へと足を向けた。

「……………。」
ガコン、と。
お金を投入してボタンを押した後、おれが飲み物を取り出そうとした………そのとき。
「あのぉ…………。」
ふと、女の声がした。