嘘から始まる恋煩い!

でも五十嵐は、ふと何かを閃いたかのようにハッとした顔をし、1つの色を選んだ。
「俺、この色が1番いいと思う。」
「あ、これ………、サーモンピンク?」
「そう。あ、嫌だったら全然別の色でもいいんだけど。」
サーモンピンク………。
朱色がかったピンクは、淡い恋を表しているかのような色合いだ。
って、どうしちゃったの私。私は別に恋をしているわけじゃないのに。
でも、なぜか、胸にどうしようもないほど嬉しい何かがこみあげてきた。
「ううん、全然嫌じゃない。ありがとう、今度来たらこの服買うね。」
だから、私は満面の笑みを浮かべた。
そうすると、なぜか五十嵐の顔がフリーズする。
そして彼の顔はどんどんサーモンピンクよりも赤くなっていた。
………えぇ?なんで?

私、何かやらかしちゃいましたっけ。
頭にそんなことがよぎったけれど、普段よりおそらくテンション高いと思われる五十嵐が、話題を変えるように口を開いた。
「そ、そうだ。他の服も見終わったら、雑貨屋行こう?」
だけど彼の声には嬉しさと照れ臭さが混じったような感情が滲み出ていて、私までつられてまた笑顔を浮かべた。