嘘から始まる恋煩い!

あ、あの服も新作の夏服⁉︎
肩を出すようにデザインされている薄いブラウスで、遠目から見てもざっと3色のカラーがあるみたい。
ラベンダーに薄紅色のサーモンピンク、そして青と緑が混じったような色であるマーメードカラーだ。
うわぁ、あの色全部好きなんだよね!全て欲しい!
だけどあいにくそんなお金はないんだよねぇ………、今度世那を連れて選んでもらおうかな。
と、私が服の世界に入り浸っているのに気づいたのか、五十嵐が私の顔をのぞきこんだ。

「どうしたの、雨音?………あ、もしかしてあの店見たい?」
至近距離で焦茶の瞳とかち合って、私は少し動揺した。
「あ、ちょこっとだけ気になっただけだよ〜。ほら、それに今日は世那への誕プレを買いに来たんだし!ほら、雑貨店に行こ?」

私があははと誤魔化すように笑って、元々の目的地の方へ足を傾けようとしたとき。
五十嵐が私の腕をつかんで、微笑みながら言った。
「いいよ、どうせだからあのマシェリっていう店にも行ってみよう?」
「え、いやでも、五十嵐を連れ回しちゃうだけだし………。」
「そんなことない。俺、雨音と一緒にいてて楽しいし、どんな服が好きなのか見てみたいから。」
「…………えっ?」
「あっ、別に変な意味じゃなくて!ただ興味を持っただけっていうか!」

あは、そうだよね。びっくりしたぁ。
五十嵐ってクールなのに、意外とまっすぐで優しいんだな。
彼の新しい一面を知って、私の心はぽかぽかと温まった気がした。