ドッペルゲンガーは四人いる

「おい、ドッペルゲンガーって知ってるか?」
「知ってる、知ってる。同じ顔の人間が世の中には三人いるってやつだろ? そんで自分のドッペルゲンガーに会うと死んじまうんだよな」
「死んじゃうの? ドッペルなんとかって、怖い!」
「でも、死から逃れられる方法もあるんだぜ!」
「え? 教えて、教えて!」
「あのな、三日以内にあと二人、ドッペルゲンガーを探して会えればいいんだと!」
「ん? つまりドッペルゲンガーは自分の他に三人いるってこと? 二人じゃないの?」
「そうそう、普通は二人しか見つからないんだ。だから難しいんだよ」
「つまり、それ、ドッペルゲンガーと会ったらやっぱり死ぬしかないってことなんじゃないの……?」

   ***

「坊っちゃん、これで大丈夫ですよ」
「じいや、ありがとう。俺、一人目のドッペルゲンガーに会った時、もう死んじゃうかと思ったよ」
「坊っちゃんはこのじいが守ります。最近の整形技術はすごいのです。坊っちゃんの命に比べたら、自分の顔をなくしたこの二人の今後の人生がどうなろうと、ささいなことです」