きみと描いた星空は、まだ消えない

描き続ければ、きっと世界は変わる……その言葉に救われた気持ちにもなった。

星が見てくれているというのも、蒼生らしくて思わずフフッと笑ってしまった。

わたしが笑った事に気が付いて、蒼生が首を傾げながらわたしを見る。


「何か……面白い事でも思い出した?」

「思い出し笑いなんかじゃないよ。蒼生は変だなって思っただけ」

「俺が変?……そうかな?でも、それで結羽が笑ってくれたのなら、俺は嬉しい」


変と言われて怒るわけもなく、ただ優しく笑顔で返してくれるだけ。

今までわたしの周りにいなかったタイプの人だ。


「……ありがと」

「ん?何が?」


ぽつりとつぶやくと、蒼生がまた首を傾げて聞き返してくる。

きっと、蒼生にとっては何でもないことだった。

ただ話を聞いて、自分の思っていた事を口にしただけ。

でもわたしにとっては、どこかで誰かに吐き出せなかった事をすんなり吐き出せた事が、本当に嬉しかったから。


「……なんでもないよ」


そう言ってわたしは立ち上がった。


「蒼生って、ここにいつまでいるの?」

「うーん、日によるけど……星が見えなくなるくらいまでかな」

「夜明け頃……ってこと?」

「うん。星が寝るのを見届けて、俺も家に帰って寝る」


まるで、星空の番人のような言い方で、わたしはまた笑ってしまった。

蒼生にとっては、それが当たり前の事なのかもしれない。

学校に行ってないの?……って思わず口から出そうになった。

蒼生がわたしの事を聞いてこないのだから、わたしだってそんな事聞く必要はない。

ただ、ここに存在している……蒼生もわたしもそれだけでいいじゃない。