「奈桜……」



気付けば、手を伸ばしていた。

引き寄せるように、強く抱き締める。


「ずっと、我慢してたのに」


感情が堰を切ったように溢れ出す。


「……好きだ」



掠れた声が、自分でも情けないくらい震えていた。



「誰よりも、大切に想ってる」


────2年前から、ずっと。

胸の中の奈桜が、ピクリと震える。
そっと俺の背中に手が回された。


「……大好き」

小さく、くぐもった声。
思わず力を緩めると、奈桜が胸元に顔を埋めたまま照れ笑いを浮かべた。


「もう、遠慮しないからな」

「……私も」


遠回りして、
離れて、
そして、戻ってきた。

もう離す理由なんて、どこにもない。

お互いの温もりを確かめるように、少しだけ力を込めて抱き締めた。



END


.