「……はぁ」
ソファに背を預けて、天井を見上げる。
思い出すのは、
決まって奈桜ことだった。
今にも泣き出しそうな顔で、
空を見上げていた、あの日の姿。
ふわりと風に揺れた長い黒髪。
無防備な寝顔。
真っ赤になって、必死に隠そうとする表情。
眩しい笑顔。
我を忘れて一生懸命頑張る姿。
——全部、鮮明に思い出せる。
「……頑張りすぎてないかな」
奈桜は、いつも真っ直ぐだった。
不器用なくせに、
隠しきれないくらい、全部顔に出る。
だからこそ——
目を逸らせなかった。
「……奈桜」
名前を口にするだけで、
胸の奥がじんわりと熱くなる。
会いたい、なんて。
そんな簡単な言葉で片付けられる感情じゃない。
でも——
「……会いたい」
ぽつりと、呟く。
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