小さく息を吐いた、その時。
ひらり、と花びらが落ちる。
視線を上げたその先に────
壁に寄りかかるようにして立っている人が、目に入る。
スーツ姿で、一際背が高くて、
大きな花束を抱えた、その人と
視線が重なった。
先生っ!!!────
先生が壁から体を離してこちらへ歩き出す。
距離が、少しずつ縮まっていく。
私は堪えきれず、走り出した。
「先生!!!」
「奈桜」
大きな胸に飛び込む。
ふわりと包まれる温もり、大好きな人の声。
何度も夢に見た。
この日を、ずっと
心が折れそうな時も
帰りたくて仕方がなかった時も
ずっとずっと、
『必ず、迎えに行く』
この言葉を、頭の中で何度も何度も繰り返して頑張ってきた。
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