空港に着いて、パパとママと夕飯を食べる約束がある。
先生とは、もうここでお別れだった。
離れなければいけない現実が、どんどん近付いてくる。
何を話そう…━━━━━
そう考えれば考えるほど、足が重たくなり、言葉も無くなる。
せめて、笑ってバイバイしたい。
たくさんの人が行き交う中、立ち止まる。
「ふぅー…」
先生は決心したように、大きく息を吐いた。
一瞬、繋がれた手に力が込められた気がする。
「ここまで、だな」
「うん…」
ダメだ、泣きたくなんかないのに。
鼻の奥がツンと痛くなって、瞳がうるうると滲んでいくのを感じた。
「奈桜」
先生を見つめる。
瞳の奥に焼き付けるように。
初めて見た時から、先生が好きでした。
何度も諦めようと思っても、
気付けば先生の事ばかり考えていて、
ダメだと分かっていても、止められませんでした……────
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