「長い…」


こんなにも、時間が進むのが遅いなんて。

ずっと落ち着かない。
嬉しいのに、怖い。


会ったらもっと好きになる。

別れも来る。

「…分かってるのに」


それでも、会いたい気持ちは止められない。


時計の針が少しずつ進んでいく。

9時30分

9時45分

鏡を見て、髪を整える。
初めて見せる私服、変じゃないかな…
少し背伸びして、大人っぽいワンピースにカーディガンを羽織る。


スマホが震えて、ビクッと身体が反応した。


『着いたよ』

言葉よりも先に、込み上げてくる。

先生への気持ち。

急いでスーツケースを引いて家を出る。


早く、早く、
会いたい…━━━━━━


玄関を出た少し先に、先生の車が停まっていた。

運転席のドアが開いて、先生が降りてくる。


「先生!!」


胸の奥で何かが弾けた。


「奈桜」


名前を呼ばれた瞬間、もう止まれなかった。

スーツケースの事も忘れてそのまま走り出す。

距離はあっという間に埋まり、

強く引き寄せられて。


「………っ」


息が詰まる。
ぶつかるように抱き締められて、視界が一気に滲んだ。



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