「え?」


ママはキィッときつく私を睨みつけた。


「自分のワガママを通して、先生の人生を壊すか。素直に従って留学するか、もうこの2択しかないのよ?」


そうだ…
私のせいで先生が…


それだけは絶対、嫌━━━━━


その日の夜。

ベッドに倒れ込んだまま、天井を見つめる。

何も考えたくないのに、

頭の中はぐちゃぐちゃで、

ずっと同じことばかり繰り返してる。

でも結局、行き着く場所は同じだった。


——もう二度と先生に会えない


スマホが震えた。

ビクッと体が反応する。

画面を見ると、

カオリの名前。

『奈桜、大丈夫?』

その一言で、

一気に視界が滲んだ。

『今週ずっと学校来てなかったし…なんかあった?』

カオリ、気にかけてくれてたんだ。


「……っ」

ダメだ。

抑えてたものが、全部溢れる。

震える指で、画面を打つ。

『カオリに全部話したい』

『私、もう学校行けないの』

すぐに既読がつく。

『え?どういうこと?』

『ちょっと待って、今電話できる?』

画面を見つめる。

少し迷って、

でも——

もう一人じゃ無理だった。

通話ボタンを押す。

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