ママはそれ以上何も言わなかった。

ただ視線だけで、「終わり」と突きつけてくる。

パパも、もう何も言わない。


「……っ」

足が重い。

でも逆らえなくて、

そのまま部屋に戻る。

ドアを閉めた瞬間——

力が抜けて、その場に座り込んだ。

「……やだ」

ぽつりと零れる。

会えない。

もう、学校にも行けない。

声も聞けない。

顔も見れない。

——先生に、何も伝えてないのに。

スマホを握る。

開いて、閉じて、

また開いて。

先生の連絡先なんて、ないのに。


「……先生」


呼んでも、届かない。

胸の奥が、ぎゅっと痛む。

あの時間が、

あの距離が、

全部、夢みたいに遠くなる。

涙が止まらないまま、

その日は、ほとんど眠れなかった。



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