桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

キッチンへ戻ると、俊兄がいた。

「へぇ。じゃあ、その後生徒会に?」

「うん」

俊兄と並んで、今日のことを話しながら晩ご飯の準備をする。

包丁を動かす手も迷いがなくて、手際がいい。

昌枝さんがいない日は、こうして俊兄がほとんど家事をやっていたのかもしれない。

……俊兄って、本当に何でもそつなくこなすなぁ。

「……ということは、会ったのか?」

「ん?」

「いや、あの――」

俊兄が少し微妙な顔で言いかけた時。

「ただいまー」

玄関から敦兄の声が響いた。

今まで生徒会の仕事に追われていたのか、いつもより少し疲れている声。

「あ、あっちゃん帰ってきた」

足音が近づき、キッチンをのぞく。

「お! いい匂い! なになに? カレー?」

「うん」

「俺も手伝ってやろうか?」

そう言いながら、大きな体をかがめて鍋の中をのぞき込んでいる。

「いや……。あっち行っててほしいかな。ね、俊兄?」

「ああ」

「っり、りあ……!」

敦兄が大げさにショックを受ける。

「だってあっちゃん、お皿割っちゃうじゃん。15分に一枚の割合で」

横で俊兄が、うんうんと頷く。

「なんだよー。じゃあいいよ。食う専門!」

俊兄が呆れたように言う。

「お前は机を拭くとか、違う方向で手伝おうとは思わないのかよ」

「俺はお前と違って地味な作業はしないの! じゃ」

そう言って敦兄はリビングへ消えていった。

「あっちゃんらしいね」

小さく笑いかけると、俊兄は小さくため息をついた。