桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

野村くんが源先輩に半ば泣きつくように言う。

「副会長ー! 早く戻ってきてくださいよー! 副会長いないと全然回らないです!」

「え、マジ?」

源先輩が苦笑する。

「じゃあ俺もそろそろ戻るか」

それから、私たちの方に軽く視線を向けた。

「あんま相手できなくて、ごめんね?」

「! いえ!」

私は慌てて首を振る。

「こちらこそ、急に来てすみません」

その横で、瑞稀が小さく言った。

「そろそろ行こっか?」

「うん」

私は小さく頷いた。そのまま三人でドアの方へ向かうと、後ろから敦兄の声が飛んできた。

「りあ、瑞稀、それとちっこいの。またな」

忙しいのか、こちらを見もしないまま書類を書き続けている。

……ちっこいの。

芽衣を見ると、少しだけむっとした顔をしていた。

でも何も言わない。

私たちはそのまま生徒会室を後にした。

廊下に出てから、ふと気づく。

――あ。

国際交流部のこと、聞くの忘れた。

でも。

さっきの空気を思い出して、私は小さく息を吐いた。

……あの雰囲気で聞けるわけないか。

廊下を歩きながら、ふと思う。

――そういえば。

隼人って、部活とかやってるのかな。

その瞬間、昨夜の光景が頭に浮かんだ。

花を、そっと直してくれた手。

……なんで、今それ思い出すんだろ。

私は小さく首を振った。