桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

「白鳥桜子……三年。一応、生徒会書記。桐生敦を追い、白鳥財閥の権力で編入後、生徒会所属」

「……」

白鳥さんは頬をほんのり赤くして、

「運命ですのよ」

と、うっとりした声で言った。

「俺はそんな安い運命信じないからな!」

敦兄が即座に言い返す。

……でも。

白鳥さんは聞いていない。

カップを、スプーンでゆっくりかき混ぜている。

……やっぱりカオスだ。隣で瑞稀が何かに気づいたように声を上げた。

「あれ、野村くんじゃん」

「え?」

私はその視線の先の眼鏡の男子生徒を見る。

「知り合い?」

「うん。一年の時、同じクラスだったの」

瑞稀は少し感心したように続けた。

「ふーん。今、生徒会なんだ」

その言葉に、眼鏡の男子――野村くんが顔を上げた。

「あ、後藤さん……」

少し嬉しそうな顔。

でも、その瞬間。

「おい眼鏡くん!」

敦兄の声が飛ぶ。

「お前サボってりあたん見てんじゃねー!」

「ち、違います!」

野村くんが慌てて立ち上がる。

「僕はりあたんを見ていたんじゃなく……」

「うちのりあたん呼び捨てにすんな!」

敦兄がバシっと机を叩いた。

すると今度は白鳥さんが優雅に口を開く。

「そうですわよ、眼鏡さん」

ティーカップを傾けながら続ける。

「りあたんさん、とお呼びなさいな」

「……」

「あー!!」

野村くんが頭を抱えて発狂した。

私は心の中でそっと謝る。

……野村くん、うちの兄がごめんなさい。

瑞稀が小さくつぶやく。

「なんか……大変そうね」

隣で芽衣がまた、小さな手帳を開いた。