桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

源恭平(みなもときょうへい)……三年。生徒会副会長。桐生敦の親友。博愛主義。……見た目がチャラい」


「!?」

勢いよく振り返る。

またもや芽衣が手帳に何かを書き込んでいた。

「ちょっと芽衣!」

瑞稀が慌てて声を上げる。

「す、すみません先輩」

瑞稀に合わせて、私もぺこりと頭を下げた。

すると源 恭平と呼ばれた男子生徒は、眉を下げてくすっと笑った。

「あはは。ユニークな子だね」

見た目はちょっと迫力あるけど、悪い人じゃなさそう。

「で、そのチャラい先輩になんか用かな?」

慣れているのか、源先輩は気にした様子もなく続けた。

「えーと……桐生敦さん、いますか?」

源先輩は部室の奥へ顔を向ける。「あっちゃーん! お客さん来てるよー!」

すぐに中から声が響いた。

「いないって言ってー!」

「……」

「……丸聞こえ」

芽衣が淡々と言う。

瑞稀が肩をすくめた。

「敦さん、相変わらずだねー」

源先輩が軽く笑う。

「かわいい女の子がわざわざ三人、会いに来てくれてるんだけど?」

部屋の奥から、敦兄がひょいと顔を出した。

癖のあるダークブラウンの髪が少し跳ねている。

「りあ!……と瑞稀。あとは……」

敦兄の視線が芽衣のところで止まるが、芽衣は無言。

「……ま、いっか」

あっさりそう言うと、敦兄は源先輩に向かって言った。

「キョーヘイ、その子、俺の妹と友達」

「へぇ……この前言ってた。どの子が妹?」

私は名乗ろうとしたけれど、その前に敦兄の声が重なる。

「真ん中」

「そうなんだ」

源先輩が私に視線を合わせてにこっと笑う。

「よろしく、妹ちゃん」

少し照れながら、私は頭を下げた。

「私たち、部活動の見学してるんです。よかったら生徒会も見ていいですか?」

「いいよいいよ」

源先輩が軽く手を振る。

「どうぞ」

私たちは生徒会室の中へ入った。