桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

そこに立っていたのは、私と同じ制服を着た女の人だった。

背がすらりと高く、目鼻立ちがはっきりしている。

ゆるく巻かれた色素の薄い長い髪が、朝の光を受けてきらきらしていた。

同じ制服なのに、まるで別の世界の人みたいだ。


……誰、この人。


ハーフ?
それともモデルさん?

一瞬、目を奪われる。

その女性は、やわらかく微笑んだ。


「あなた、敦さまの――」


「え? あっちゃん?」


背後で家のドアが開く音がした。

振り返ると、

「よかった、りあ、まだいた――」

敦兄が出てくるところだった。

その姿を見た瞬間。


「敦さま!」


女性がぱっと表情を輝かせる。

敦兄の顔色が、一瞬で変わった。 


「っ……いないって言って!!」


敦兄が慌ててドアを閉めようとする。

でも。

「敦さま!」

女性は素早く手を伸ばして、そのドアをぐいっと押し開けた。

思った以上の力だった。

「もうっ。敦さまったら、照れ屋さんなんですから」

言葉はやわらかいのに、動きはかなり強引。

……あっちゃんと、ほぼ互角の力。

この人、見た目と違う。

私はおそるおそる口を開いた。

「……あの、これは一体……?」

女性は、はっとしたように目を瞬かせた。

「まぁ!わたくしとしたことが。失礼いたしました」

そう言うと、急にドアから手を離し、くるりと私の方へ向き直る。

その反動で、バタンとドアが閉まった。

同時に、家の中から

ドンッ

と、敦兄が尻もちをついたらしい音が聞こえる。

でも本人は、気にした様子もない。

すっと背筋を伸ばして、優雅に微笑んだ。

「わたくし、白鳥 桜子(しらとりさくらこ)と申します。あなたのことは存じておりますわ。敦さまの妹君、ですわね?」

「え……どうして、それを……?」

聞き返すと、白鳥さんは、少し誇らしげに微笑んだ。