桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

電話を切り、腕を伸ばして空を仰いだ。

そのまま手をだらりと落とし、再びリクライニングチェアに体を預ける。

……なんだか気持ちいい。

春の終わりの風はやわらかくて、うとうとするにはちょうどいい。

目を閉じると、意識がゆっくり沈んでいった。


――夢を見た。

冷たい水。

息ができない。

遠くで、誰かの声。

——りあ。

小さい頃の私が、眠っている。

その手に、誰かがそっと指輪を握らせている。
小さな赤い石がついた、おもちゃの指輪。

男の子。

でも、顔がよく見えない。

……誰?

答えを聞く前に、
意識が、ふっと浮かび上がった。


現実に引き戻される。

……誰かの気配がした気がした。

重たいまぶたを開く。
どうやら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

ゆっくり体を起こした時、
膝の上に、ブランケットがかけられていることに気がついた。

「……」

私はそれをぎゅっと握る。

……誰が?

分からない。

でも――

なぜか。

隼人だったらいいのに、と
思ってしまう自分がいた。