桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

花束を棚の上に置き、地下へ続く階段を下りる。
敦兄と俊兄の部屋は、地下にある。
記憶をたどりながら廊下を進む。

確か、俊兄の部屋は――奥の方。

ドアの前まで来て、少し迷う。

……勝手に入るのもどうなんだろう。

でも、ドアは半開きだった。
昌枝さんが掃除した後かもしれない。

机に鍵を置くだけなら大丈夫かな。

そう思って、そっとドアを開ける。


「お邪魔しまーす……」


誰に言うでもなく、小さくつぶやく。

俊兄の部屋は、モノトーンを基調にしたシンプルな空間だった。
余計なものがほとんどなくて、机の上もきれいに整っている。

机の端に鍵を置くと、

あれ……?

引き出しの隙間から、少しだけ封筒がはみ出しているのが目に入った。

小花柄の、可愛らしい封筒。

この部屋には、ちょっと似合わない気がする。

「……なんだろう」

思わず目がいくが、すぐに首を振った。

人の部屋をじろじろ見るのはよくない。

私はそのまま静かにドアを閉めて、俊兄の部屋をあとにした。