桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

――颯太だ。

一年生の校舎は、あっちなんだ。

そう思った瞬間。

颯太がふいに顔を上げた。

こちらを見た気がして目が合う。

颯太は一瞬きょとんとして、
すぐにニヤッと笑った。

次の瞬間。

指で銃の形を作る。

私に向けて、

バン。

ーーバン。

「……」

私はそっと窓から離れた。

瑞稀がくすっと笑う。

「相変わらずだね」

「なにが?」

「あんたの弟。生意気だねー」


「……輪ゴムで撃ち返してやりゃいいのに」


芽衣が、淡々と言った。
私は一瞬びっくりして芽衣を見る。
でも、悪意があるわけでもなさそうな、涼しい顔。

「あー、この子、たまに毒吐くけど悪気ないから!」

瑞稀が慌ててフォローする。

「そ、そうなんだ」

見た目とのギャップがすごくて、思わず苦笑した。

少し話しているうちに、
ふと壁の時計が目に入る。

「あ、そろそろ行くね。ちょっと校舎も見ておきたいし」

「うん、また明日ね!」

二人に見送られて、私は教室を出た。