桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

俊兄が近づいてきて、ぽん、と私の頭に手を置いた。

「おかえり」

「うん……ただいま」

さらっと揺れる、まっすぐな黒髪。
センターで分けた前髪の奥から、切れ長の静かな目がのぞく。

きっちり着た制服も、昔から変わらない。

双子なのに、
手の置き方まで、敦兄とは全然違う。

その様子を、敦兄と颯太がじっと見ている。

「……」

「……」

ぽん。
敦兄が颯太の頭に手を置いた。

「おかえり」

「うん……ただいま」


「茶化すな!!」

俊兄がすぐツッコむ。


——相変わらずだな、この構図。


「じゃ、俺そろそろ着替えてこよっと」

颯太が俊兄からバッグをひったくる。

「おい!」

その動きが、昔と変わらなくて。
なんだか少し、安心する。

「ったくあいつは……」

俊兄がため息をつく。

「若いねぇ颯太は」

敦兄ののんきな声に、思わず苦笑しかける。

そのとき。


「……りあ」


俊兄に呼ばれて、振り向く。

ぺりっ。

背中から、何かが剥がされた。


「……何これ!?」


俊兄が持っている紙には、


『バカヤロウ』


とだけ書かれている。

「……あいつは本当に、何やってんだ」

俊兄が呆れた顔で紙をぐしゃっと丸め、
ゴミ箱へ放った。

「若いねぇ颯太は」

敦兄がまた同じことを言う。

「あっちゃんそればっかり!」

……さっき抱きつかれた時だ!
あの背中ぽんぽん、これか!


「もう! 颯太! ちょっと待って!」