夜々が店内の奥にあるキッチンに向かう。その後ろ姿を見つめながら、「本当に帷子なのか?」と恭介は首を傾げていた。それと同時に青春のワンシーンが蘇る。
東北の山に囲まれたのどかな場所で恭介と夜々は育った。恭介は幼い頃からテレビで見た東京に憧れを抱いており、いつも夢を見ていた。
『俺は大学は東京へ進学する!東京で音楽やって成功させて、ビッグな男になってやるんだ!』
そう夜々を含めた周りの人間に恭介は言い続けていた。そのたびに夜々はこう言った。
『美澄くんはすごいなぁ。私は多分一生この県から出ないと思う。ここでお店を出してのんびり過ごそうかな』
『帷子にはそれが合ってると思うよ。お前、なんか危なっかしいから都会に出たら悪い男に騙されそうだし』
夜々は地元に今もいるのだと思っていた。恭介の胸がザワザワと音を立てる。
(なんで帷子は上京してんだよ……)
恭介の前に皿が置かれた。夜々が料理を持ってきてくれたのだ。
「お待たせ。ホットミルクと参鶏湯です」
「あ、ありがと」
東北の山に囲まれたのどかな場所で恭介と夜々は育った。恭介は幼い頃からテレビで見た東京に憧れを抱いており、いつも夢を見ていた。
『俺は大学は東京へ進学する!東京で音楽やって成功させて、ビッグな男になってやるんだ!』
そう夜々を含めた周りの人間に恭介は言い続けていた。そのたびに夜々はこう言った。
『美澄くんはすごいなぁ。私は多分一生この県から出ないと思う。ここでお店を出してのんびり過ごそうかな』
『帷子にはそれが合ってると思うよ。お前、なんか危なっかしいから都会に出たら悪い男に騙されそうだし』
夜々は地元に今もいるのだと思っていた。恭介の胸がザワザワと音を立てる。
(なんで帷子は上京してんだよ……)
恭介の前に皿が置かれた。夜々が料理を持ってきてくれたのだ。
「お待たせ。ホットミルクと参鶏湯です」
「あ、ありがと」

