「『キューピッドさん ハッピー都市伝説アプリ あなたの想いを届けます』?」
昼休み。友達の雅人が見せてきた画面に俺は「くっだらねー」と笑いだした。「だよな」と笑う雅人にばれないように、俺は興味なさそうにしつつも、その都市伝説を心にメモした。
「あの、けんくん。そこ、私の席……」
振り返ると、弁当を持った幼馴染みの沙耶香が困ったように立っていた。俺は鼻で笑った。
「あ? ブスは便所で食ってろよ」
隣の雅人は「おい、健司」と俺にたしなめるようにめくばせした。が、俺は気にせず続けた。
「つか、けんくんとか馴れ馴れしく呼ばないでくださーい。知り合いだと思われたくないんでー」
そう言ってやると、沙耶香は弁当を持って教室を飛び出した。雅人が俺を非難するように見つめた
「お前、最近近藤さんにあたり強くね?」
「いいんだよ! あんなブス知るかよ」
「キューピッドさん、と」
帰宅後俺は検索した。実はちょっと今本気で困っていたのだ。
幼馴染みの近藤沙耶香は、中学に入ると急に大人びてキレイになった。すると周りの男どもも沙耶香を見る目が変わってきた。俺は焦った。
幼稚園の時から沙耶香を好きなのは俺だ!
だからわざといじめた。周りの男たちが沙耶香をそういう目で見ないように。
けれど、このままでは、俺が沙耶香に嫌われてしまう。
画面に出てきた天使のマーク。その下に想いを伝えたい人の名前とその想いを記すのだ。
「近藤沙耶香 いつもいじめてごめんな。実は俺お前のことが好きなんだ。他の男にとられたくないからあんな態度取ってるけど許してくれよな」
そして送信ボタンを押す。これでひと安心だ。昔から優しい沙耶香のことだ。許してくれるに違いない。
俺は久しぶりに気持ちよく眠りについた。
翌朝。スマホが光っていることに気づいた。画面を見ると天使のマークの下に「返信」と記してある。
「近藤沙耶香より」
俺は慌ててスマホをタップした。
「死ねよ。許すわけねえだろ。こっちはお前のことなんか好きじゃねえんだよ。むしろ私のことが本当に好きだと言うのなら死んでくれ。お前が死ねば私は幸せになる。死ね死ね死ね死ね」
***
「けんくん、どうして自殺なんて……」
「泣かないで近藤さん、俺がついてるよ」
雅人は沙耶香の肩を抱きながら小さく呟いた。
「……あのアプリ開発して良かったな」
昼休み。友達の雅人が見せてきた画面に俺は「くっだらねー」と笑いだした。「だよな」と笑う雅人にばれないように、俺は興味なさそうにしつつも、その都市伝説を心にメモした。
「あの、けんくん。そこ、私の席……」
振り返ると、弁当を持った幼馴染みの沙耶香が困ったように立っていた。俺は鼻で笑った。
「あ? ブスは便所で食ってろよ」
隣の雅人は「おい、健司」と俺にたしなめるようにめくばせした。が、俺は気にせず続けた。
「つか、けんくんとか馴れ馴れしく呼ばないでくださーい。知り合いだと思われたくないんでー」
そう言ってやると、沙耶香は弁当を持って教室を飛び出した。雅人が俺を非難するように見つめた
「お前、最近近藤さんにあたり強くね?」
「いいんだよ! あんなブス知るかよ」
「キューピッドさん、と」
帰宅後俺は検索した。実はちょっと今本気で困っていたのだ。
幼馴染みの近藤沙耶香は、中学に入ると急に大人びてキレイになった。すると周りの男どもも沙耶香を見る目が変わってきた。俺は焦った。
幼稚園の時から沙耶香を好きなのは俺だ!
だからわざといじめた。周りの男たちが沙耶香をそういう目で見ないように。
けれど、このままでは、俺が沙耶香に嫌われてしまう。
画面に出てきた天使のマーク。その下に想いを伝えたい人の名前とその想いを記すのだ。
「近藤沙耶香 いつもいじめてごめんな。実は俺お前のことが好きなんだ。他の男にとられたくないからあんな態度取ってるけど許してくれよな」
そして送信ボタンを押す。これでひと安心だ。昔から優しい沙耶香のことだ。許してくれるに違いない。
俺は久しぶりに気持ちよく眠りについた。
翌朝。スマホが光っていることに気づいた。画面を見ると天使のマークの下に「返信」と記してある。
「近藤沙耶香より」
俺は慌ててスマホをタップした。
「死ねよ。許すわけねえだろ。こっちはお前のことなんか好きじゃねえんだよ。むしろ私のことが本当に好きだと言うのなら死んでくれ。お前が死ねば私は幸せになる。死ね死ね死ね死ね」
***
「けんくん、どうして自殺なんて……」
「泣かないで近藤さん、俺がついてるよ」
雅人は沙耶香の肩を抱きながら小さく呟いた。
「……あのアプリ開発して良かったな」

