君と僕のすれ違い日記

 俺たちは駅で菜々香と颯太と別れ、詩央里と二人になった。
「じゃあ行こっか。スクランブル交差点渡ってみたかったしね。」
 はい、と詩央里は照れくさそうに手を差し出す。
 その手を俺は優しく取る。握ったこの手を絶対離さないようにそう心の中で誓って、人の多い交差点を渡って、カフェへと歩く。迷いながらもなんとかたどり着いた。
「もう迷路すぎるね。さすがに着くまでに疲れすぎた。」
「違う違う、亮介が体力ないだけだよ。私ぜーんぜん疲れてないもん。」
 詩央里はクスッと笑う。
「まじー?これから遠回りして学校行ったら体力もっとつくかな?」
「確かに。それはそうかもしれないけど、でもいっつもギリギリに教室入ってんだからそんなことしなくていいよ。」
「確かに、まずは早起きからやな。」
 そうだよ、と詩央里が俺に返事を返して、次の方こちら、と呼ばれたレジの方へ行った。
 俺も飲み物とケーキを買って、席につく。周りを見れば、仕事をしている人とか、大人のカップルばっかりだ。俺たちだけ制服で、しかも普段は学校の時間なのにこんな所にいると変に思われないといいな。

 俺たちは新幹線や電車で疲れた疲労をここで癒す。
 LINEを確認すると、何時に渋谷に集合と颯太から連絡が来ていた。
 確かこの後は明治神宮でチェックを受けて、初の原宿で満喫する予定だ。

 約束の電車に乗るために、一時間くらいゆっくりしてカフェを出て、また駅へと歩き始める。詩央里が見つけてくれたこのカフェ。めっちゃオシャレで、雰囲気も最高だった。
「詩央里、ありがとう。こんないいお店見つけてくれて。」
「そりゃーまあ。彼氏と行くんだから、良いとこ行きたいじゃん。」
 詩央里は笑みを浮かべながら、俺と腕を組む。お互いに愛し合えてる気がして、詩央里をもっと離したくない。俺はそう思った。
「じゃあ今度は俺も良い店探して予約する。」
「えーーなにそれ。もうプロポーズされる感じ?私、まだ中学生なんだけどー。」
「そんなわけないないー。良いお店って高級なレストランに行くんじゃないんだしさ。」
「ふーん。まっプロポーズしてくれても良いけどね。」
 詩央里は顔を赤ながら、そっと違う方向を向く。とにかく可愛すぎる。
「あっ!ラブラブカップル発見!」
 誰かが走ってきて、そう言って俺の肩を叩く。この声は…菜々香。
「まだ駅着いてないのにあったねー。」
 颯太もそう言いながら近づいてきた。
「ね。そっちはどう?楽しかった?」
「うん。めっちゃ。やっぱり渋谷はそれぞれ分かれて正解だったんだろうな。」
「そうかもな。確か電車結構時間ないよな。ちょっと急ぐ?」
 颯太はスマホの時間を見て、走るか、と言い俺たちは駅まで走った。
 無事に電車に間に合って、そのまま原宿まで電車に揺られる。
 降りたら明治神宮の中を歩く。たくさんの木が生えてて、一体どれだけ前からこの建物が建っていたんだろうと思う。
 お参りをして、お守りを買う。
 これからもずっと詩央里と仲良く過ごせますように、と願う。
 そこからまた大きな木の中を通って、次は竹下通りへ向かう。
 竹下通りは思っていたよりも、何倍も人が多かった。俺たちは人混みを駆け抜ける。しっかり手を離さないで。
 そのまま少し暗くなるまで色々な店を回って、また電車に乗ってホテルへ向かう。
「今日めっちゃ楽しかった。行ったことないところにいっぱい行けたし。」
「ね。私誰か有名人いないかずっと探してた。」
「わかる。俺も。まあ誰もいなかったけど。」
 小さい声で少しだけ笑う。
「今日の夜、ホテルでちゃんと電話してよ?寝たらダメだからね。」
「もちろんもちろん。詩央里もね。」
「私は大丈夫だから!あ、電車もう着くじゃん。」
 俺たちは電車から降りて、ホテルへ向かって歩く。