はぁ~。職員室に入るのって、なんだか緊張しちゃうんだよね。
とぼとぼと廊下を歩きながら、思わずため息が出る。
さっきの国語の授業のときに、教卓の真ん前の席だという理由だけで、「ノートを集めて、あとで職員室に持ってきて」なんて先生に頼まれてしまったんだ。
ほんとツイてない。
職員室の近くまでくると、出入り口のすぐそばで、背の高い男子生徒二人が男の先生としゃべっているのが見える。
上履きの色からすると、三年生だ。
職員室の扉の前に立ち、ノックしようとした瞬間、三人の会話が耳に飛び込んできた。
「でも、結局野球部って、できないんですよね? なら、サッカー部が野球部用に作ったグラウンドをもらっても、問題ないんじゃないっすか?」
んん? 野球部用に作ったグラウンド……?
「そうですよ、大森先生。どうしてダメなんです? 今年もかなり一年が入りそうじゃないですか。もう一面コートが取れれば、練習効率も上げられますし。なんとかお願いします」
「うーん、そうだなあ……。わかった。一度、理事長に確認しておくよ」
「「よろしくお願いします!」」
そろって頭を下げたあと、顔を見合わせガッツポーズなんかしてる。
ねえ、これってマズいんじゃない?
学校が野球部のために用意してくれたグラウンドを、サッカー部に取られちゃうってことでしょ?
もしそうなったら……。



