野球、やりませんか⁉

 勝手にあんな約束をしちゃったのは、わたしが悪かったって思ってる。

 けど、わたしのしたことって、そんなにダメだった?


 あのときの必死な自分を思い出し、込みあげてきた涙をぐっと我慢する。


 わたしはただ、みんなが野球をする場所を守りたかっただけなのに……。


「ちょっとちょっと。みんな話がどんどんズレてってるって。だいたい理事長との勝負の件は、一度はみんな納得したことでしょ? それを今さら蒸し返すってのは、さすがにカッコ悪すぎじゃない?」

「そうだな。今の争点は、中山をどうやって練習に来させるか。マネージャーが任せろというのなら、この件はマネージャーに一旦預けて、僕たちは練習に専念すべきだと思う」

「そーそー。マネージャーが一番必死とか言って笑ってるレベルじゃマズいって。自分たちの場所は自分たちで守る。俺らが一番必死にならなくてどーすんの」

 有沢くんと渡瀬くんのもっともな意見に、他の部員たちが気まずげな顔を見合わせる。


「よっしゃ。そんじゃバリバリ練習するかあ! みんなで羽瑠ちゃんにいいとこ見せようぜ」

 そんな空気も読まない八柳くんの明るい大声がグラウンドに響くと、

「それはおまえだけだろ」

「勝手にやっとけ」

 と即座にツッコミが入る。