野球、やりませんか⁉

「わ……わたしがやるよ!」

 わたしがムリやり口を挟むと、場がしんと静まり返り、視線がわたしへと集まる。


「わたしが、責任持って中山くんをちゃんと連れてくる。だから中山くんのことはわたしに任せて、みんなは練習に集中して」

 逃げたくなるのを必死に堪えて、もう一度決意を込めてみんなに宣言する。


 けど、みんなからの『いやムリだろ』って空気がひしひしと伝わってくる。

 それでも……やっぱりこれはわたしの仕事だよ。


「だって、わたしは野球部のマネージャーだから。プレイできない分、少しでもみんなの力になりたいの」

「っていうかさ、元はと言えば、マネージャーが理事長と勝手にヘンな約束したのが悪いんじゃね?」


 うっ……それを言われると、なにも言い返せないんだけど。


「だよな。こんな会ったばっかのメンバーで、チームワークもクソもない状態で、試合に勝てって? どう考えたってムリゲーすぎだって」

「しかも監督もいないのにさ。どうやって勝つつもりだよ」

「野球もできないマネージャーが一番必死なの、正直笑えるんだけど」


 ……だったら、黙ってサッカー部にグラウンドを譲った方がよかったってこと?

 だって、野球部を作れる可能性がゼロになっちゃうところだったんだよ?