野球、やりませんか⁉

「正直一番ヘタクソなヤツが一番練習休むって、ガチでありえねえよな」

「つーかさ、今度の練習試合に勝てなかったら、野球部なくなるんだろ? 当日アイツが来なくて不戦敗とか、マジ勘弁してほしいんだけど」

「やっぱ他のヤツ探した方がいいんじゃね?」

「でもさ、今の時期に部活に入ってなくて、野球経験者で、セカンドを守れるヤツなんて、そんなに簡単に見つかるとは思えないんだけど」

 うん。たしかに有沢くんの言うとおりだよ。


 四月も半ばをすぎ、仮入部期間も先週までで終わってしまっている。

 すべての条件を満たす人を今から見つけるのは、かなり難しいかも。


「つまり、中山は超貴重な掘り出し物ってことかー」

「だからって、アイツの好きにさせるのはムカつくんだけど」

「せめて練習くらい来いよって話」

「マジそれな」

「そこは、とにかくちゃんと来てくれるように頼むしかないんじゃないかなあ」

 土谷くんが遠慮がちに言うと、みんなが鼻で笑う。


「渡瀬が言っても来ないんだろ? 土谷が言ったって来るわけないじゃん」

「は? 別につっちーはなんも間違ったこと言ってねえだろ。なに笑ってんだよ」

「頼んで来るようなヤツなら最初からこんなんなってねえっつってんの。だいたいなんで八柳が怒ってんだよ」


 うわわっ。なんかどんどんおかしな方向に進んでない⁉

 こんなことで仲間割れしてる場合じゃないのに。