野球、やりませんか⁉

 有沢くんが手伝ってくれたおかげで、掲示のお仕事は思ったよりも短時間で終わったよ。

 二人で急いでグラウンドに行くと……みんなで集まって、なにかモメてる?


「マジでどうなってんだよ、アイツ」

「ったく。おれより不真面目なんて、許せんヤツだなあ」


 八柳くん、自分より不真面目なのが許せないって……。


 思わず苦笑いがもれる。


「なに。ひょっとして、また中山来てないの?」

 有沢くんが声をかけると、みんなの視線が一斉にこちらを向く。


「ああ、そうみたいだ。すまない。僕が不甲斐ないばっかりに」

 渡瀬くんが、申し訳なさそうな顔をする。


 中山くんと同じクラスの渡瀬くんは、部活に来るよう中山くんを何度も説得してくれているみたい。

 だけどあれ以来、中山くんは練習に全然来なくなっちゃったんだ。


「もうちょい真面目にやるヤツいなかったのかよ」

「だよなー。完全に渡瀬の人選ミスじゃね?」

 他の部員から不満の声があがる。


「ちょっと待って。それは渡瀬くんのせいじゃ――」

「僕の人選が気に食わないなら、君らが代わりを連れてくればいい」

「は、なにそれ? 逆ギレ?」


 うわわっ。バッチバチの睨み合いが始まっちゃったよ。