野球、やりませんか⁉

 伸ばしちゃダメ。

 みんなのサポートをがんばるんだって。

 いっぱい考えて、そう決めたんだから。


 ぶんぶんと首を左右に振ると、ノックを始めた渡瀬くんの方へと小走りで近づいていく。


「わたしも手伝うよ」

「ああ。頼む」


 渡瀬くんにボールを手渡しつつ、みんなの動きを観察する。


 うん。やっぱりみんな、すごくうまい。

 渡瀬くんの資料のとおり、特に土谷くんと八柳くんの守備は抜群にうまい。


 ショートの土谷くんは、どんなイレギュラーな打球が来ても、即座に反応。

 キャッチングからスローイングまで、無駄が一切ない。


 センターの八柳くんは、その長身を活かした俊足で、守備範囲がめちゃくちゃ広い。

 しかも肩も強くて、コントロールもいい。


 こんな人たちがバックにいてくれたら、ピッチャーはすごく心強いんじゃないかなあ。


「中山はどう?」

 クールダウンを終え、そばに来た有沢くんが、守備練習中の中山くんをじっと見ながら渡瀬くんにたずねる。


「ああ……潜在能力はありそうだが、かなり練習が必要なレベルだな。とはいえ、人数が揃わなければ試合に出ることすらできないこの状況で、贅沢も言っていられないが……間違いなく不安要素ではある」

「だなー」