野球、やりませんか⁉

 もうっ。誰にでもそういうことを言うから、トラブルが起こるんだよ、きっと。

 これからは、もう少し気をつけてもらわなくっちゃ。


 八柳くんたちに続いて、続々と他のメンバーもやってくる。

 その中に、初めて見る男子が一人だけいる。

 渡瀬くんと一緒に歩いてくるし、きっとあの子が、渡瀬くんが勧誘してくれたっていう中山樹くんに違いない。


「必要な道具は、体育倉庫の中に全部揃ってるって」

 全員揃ったのを確認してから、さっそくみんなで体育倉庫へと移動する。


 有沢くんと一緒に、体育倉庫の入り口の引き戸を左右にガラガラガラッと開けると――。


「え、なんで……」

 バットもボールも、なぜか全部めちゃくちゃに体育倉庫の床にぶちまけられていた。


 ううん、それだけじゃない。

 ワザと砂まみれにされていて、中には、足跡がくっきりついたボールまである。


「誰がこんなこと……」

「あー、悪い、悪い。さっきサッカー部の道具を出すときに、ぶつかっちまってさあ」

 うしろで声がして振り向くと、職員室前で会ったサッカー部の先輩二人がへらへら笑いながら立っていた。


「いえ、全然大丈夫です。どうせ練習すれば汚れるんで。でも、今後は気をつけてくださいね。俺たちにとっては、命の次くらいに大切なものなんで」


 有沢くん! 目! 据わってる!

 それ、めちゃくちゃ怖いから‼


「は? なんだ、てめえ。先輩に対する礼儀ってもんがなってねえなあ」

「でも、俺らの先輩じゃないですよね?」

 ギロリと睨む先輩に、へらりと笑いながら有沢くんが言い返す。