野球、やりませんか⁉

「おまえら超サイコー! まさか魔王様がこんなノリのいいヤツだったとはな。心配してソンしたわ」

「なにを言っている。ノリではない。僕はあくまでも本気で全国制覇するつもりだ」

 大笑いする八柳くんに、渡瀬くんが淡々と言い返す。


「おまえらさあ、どんだけ心臓強いんだよ」

「けどまあ、バッテリーがビビってるようじゃ、勝てるもんも勝てねえしな」

「たしかに」

「てかこんだけ濃いメンバーなら、ガチでできそうじゃね? 全国制覇」


 対戦相手を聞いて絶望の表情を浮かべていた他の部員たちの空気まで、なんだかガラッと変わった気がする。

 そんな強豪相手でも、自分たちが負けるわけないって。みんな本気でそう思ってる。


 それはきっと、みんながお互いの実力を知っているからで。

 ひょっとしたら、このメンバーでなら本当にできるかもしれない。全国制覇。


 そんな中で……ううん。わたしなんかが出たって、みんなの足を引っ張るだけ。

 渡瀬くんがセカンドのできそうな子を見つけてくれて、本当によかった。