野球、やりませんか⁉

 どうしよう。これから野球ができるんだって、みんなすっごく楽しみにしてるのに。

 なのに、いきなり野球部消滅の危機だなんて、言えるわけない!


「だなー。今度の練習試合なんかさくっと勝って、理事長を黙らしてやろうぜ」

「ちょっと、有沢くん⁉」


 あーもう、ウソでしょ⁉

 なんでいきなり言っちゃうかなあ。

 せめてもうちょっとタイミングくらい考えてよぉ……。


「理事長を黙らせる? 有沢、いったいなんの話だ?」

 案の定、渡瀬くんが眉間にシワを寄せる。


「あれっ。ひょっとして、マネージャーからまだ聞いてない?」

 みんなの視線が、一気にわたしへと集まる。


「棚橋、どういうことだ?」


 ムリだ。どう考えても、ごまかしきれる気がしない。


「ごめんなさい! 実は――」


 サッカー部が、野球部のグラウンドをほしがっていること。

 野球部を作りたいから使わないでほしいと頼んだら、今月中に一勝できれば野球部に譲ってやると言われたこと。

 そして……理事長先生も、この勝負に賛成だということを、みんなに伝えた。


「はあ⁉ なんだよ、それ」

「理事長先生は、どうしてもうちの学校に野球部を作りたくないみたいだね」


 うぅっ、やっぱりそう思うよね……。