今日から野球部はじめますっ!

 そんな大希くんの手を払いのけ、有沢くんが鼻で笑う。


「言うだけならなんとでも言えるよなあ。そんな言葉聞き飽きたし、もう聞きたくないんだよ。マジで俺の人生にもう関わってくんな」

「ユウ……」

 大希くんが悲痛な声を出す。


「やっちまったことは、なかったことにはできない。なら、どうすればユウはまた野球をやってくれる? なあ、俺、どうしたらいいんだよ」

「……」

 そんな大希くんから目をそらし、有沢くんは黙ったまま。


「わたしは、有沢くんにも入ってほしいってずっと思ってるよ。他のみんなだって、ちゃんと話せば、きっとわかってくれるはずだよ」

「……そうやって期待しては、裏切られてばっかなんだって。そういうの、正直もう疲れたんだよね。もういいからさ、いい加減ほっといてくんない?」

 有沢くんが、力なく笑う。


 有沢くんは、今までどれだけ傷ついてきたんだろう。

 そのことを思うと、胸がぎゅっと苦しくなる。


 ううん。有沢くんはこの何倍も――何百倍もきっとずっと苦しかったに違いない。

 だったら……もうムリに誘わない方がいいのかな。


 けど、それでも……。