今日から野球部はじめますっ!

「聞いていいか。有沢が起こしたという暴力事件。あれは、おまえが起こしたというのは本当か?」

 渡瀬くんの問いに、大希くんが一瞬ぐしゃっと顔を歪める。


「……だったらなんだよ」

「『なんだよ』じゃないだろ。どうして有沢のせいになっているんだ? まさか、おまえが有沢に罪をなすりつけたのか?」

「んなことするわけねえだろうが!」

 ぎゅっとこぶしを握りしめた大希くんが大声で怒鳴る。


 その声に驚いたのか、木にとまっていた小鳥がバサバサッと空に向かって羽ばたいた。


「ユウに迷惑かけるつもりなんて、これっぽっちもなかった。なのに、他のヤツらが勝手に勘違いしやがったんだよ。ユウだって、自分じゃないって言えばいいのに……なんで言い訳しねえんだよ、アイツ。バカじゃねえの?」

「……だったら、あなたがそう言えばよかったじゃない。そうしなかったから、有沢くんはチームをやめなきゃいけなくなった! 違う⁉」

 かぁっと頭に血がのぼって、後先考えずに怒鳴る。


 自分のことのように悔しくて、涙が込みあげてきて、今にもこぼれてしまいそう。


「言ったに決まってるだろ! そしたらユウのチームのヤツら、なんて言ったと思う? 『双子なんだから、どっちがやったってあんま変わらない』だと。ふざけんなよ」


 それで有沢くん、絶望してチームをやめちゃったの?

 なんなの、それ。