アオハル☆ベースボール

 それをはじめて知ったときは、眠れなくなるくらいすっごく悔しかったけど……今ではそれも仕方のないことなのかなって、納得はしてる。

 女子は、体格的にも身体能力的にも、男子にすぐについていけなくなってしまう。

 その事実に、気づいちゃったから。


 それでも小五くらいまでは、男子に負けないプレイができてた自信はあったんだよ?

 けどそんな自信も、小六になる頃には消し飛んじゃった。


 みんなが連続で外野に大きな当たりを出すような場面でも、わたしだけは一塁に出るのがやっとだったり、ものすごい剛速球を投げるピッチャーと対戦したときは、それこそ打席に立つのも怖くなるくらいだった。

 結局あの試合は、わたしがフォアボールで出塁しただけで、ノーヒットノーランで負けたんだっけ。


 ああ、世の中には、こんなにすごい人がいるんだ。

 きっとこういう人が、将来プロ野球選手になるんだろうなって。

 そう思い知らされたんだ。


 それと同時に、自分の限界も目の前に突きつけられたような気がした。

 これから男子はもっともっと体が大きくなっていって、男子にはできて、わたしにはできないっていうことが、間違いなく増えていく。

 だからね、野球は小学校までですっぱりやめようって。そう決めたんだ。


「でも、他の人が野球やってるとこ見たら、一緒にやりたくならない?」

「ならないよ」

 笑顔で首を横に振ると、野球をやめてから伸ばしはじめた髪が、肩の上でさらさらと揺れる。