アオハル☆ベースボール

 部活動説明会が終わるのと同時に、「うわ~、めっちゃ迷う~」「ねえ、テニス部一緒に見学に行こ」と楽しそうな会話があちこちから聞こえてくる。


「羽瑠、大丈夫? 野球部に入る予定だったんでしょ?」

 教室に向かって歩きながら、小学校からの親友の佐倉菜々が、心配そうにわたしを見る。


 ふたつ結びにしたゆるくウェーブのかかった髪に、パッチリとした二重の目。お人形さんみたいにカワイイルックスだけど、意外とサバサバした性格で、わたしが困っていると、物事を少し離れたところから見ているような視点で、鋭い指摘をしてくれることもあるんだ。


「うん……野球部のマネージャーをしようと思ってたんだけど、あきらめるしかなさそうだね」

「えぇっ、なんでマネージャー⁉ だって羽瑠、小学校んとき、野球めっちゃがんばってたのに」

「うん、まあ、そうなんだけど……中学では、選手のサポートができればいいなって思って」


 実はわたしもね、菜々の言う通り、小学校までは男子に混じって、近所の野球チームに入っていたんだ。

 三つ年上のお兄ちゃんと一緒に。


 けどね、最近知っちゃったの。

 女子は、高校生になっても、甲子園には出られないって。


 女子の大会の決勝戦だけは、甲子園でやれるらしいんだけどね。

 でも、男子と同じ大会には出られないんだって。