アオハル☆ベースボール

 なんだったの?

 有沢くんがなにを考えているのか、全然わからないんだけど。


 わたしみたいなのが野球部志望じゃないってわかって、安心した?

 それとも、誘っといて自分はやらないのかよって、怒ってる?


 ……いや、そんなことはこの際どっちでもいい。

 有沢くんには、なにがなんでも野球部に入ってもらわなくちゃいけないんだから。


「それでね、野球部を作るには、顧問の先生と部員が五人以上必要なんだって。だから、お願い! 野球部に入って、有沢くん」

「だってさー、監督がいなかったら勝てないでしょ、ガチな話。やるからには、やっぱ勝ちたいじゃん?」

「うん、勝ちたいよね。わたしも勝ちたい。っていうか、勝てないと困るの。だって……」

 そこまで言ってから、ハッとして続きの言葉を飲みこんだ。


 ……わたし、ひょっとして勝手に大変な約束をしちゃったんじゃない?


「『だって』、なに? ひょっとして、なんか勝たなきゃいけない理由でもあんの?」

「そ、それは……」

 有沢くんに真正面から見つめられ、思わず目を泳がせる。


 完全に部外者のわたしが、勝手に野球部の未来を決めるような勝負なんか受けちゃって。

 こんなの、バレたら怒られるだけじゃすまないんじゃないの⁇


「たとえば――ほら、マンガなんかでよくあるじゃん? 勝てなかったら、部がなくなる的なヤツとか?」

「⁉」


 ちょっと待って。なんでピンポイントで正解を言い当てるわけ⁉


「え、冗談のつもりだったんだけど。ひょっとして、当たっちゃった?」