アオハル☆ベースボール

「でも有沢くん、中学でも野球を続けようと思ったから、竜崎監督の誘いを断らずに、ここに来たんでしょ? 本当は野球、やりたいんだよね? 監督がいなくても、九人いれば野球はできるんだよ。ねえ、みんなで野球やろうよ!」

 だんだん前のめりになりながらまくし立てるわたしのことを、有沢くんが黙ってじーっと見つめてくる。


「な、なに?」


 わたし、ひょっとしてなんかヘンなこと言っちゃった?


「あのさ、棚橋……だっけ? あんたはやるんだ。監督がいなくても」

「へ⁉ わ、わたし⁇」

 自分を指さしつつ、有沢くんに気づかれないようにスッと視線をそらす。


「だってわたし、女子だよ? 野球なんかできるわけないじゃん」

 自分で言っておきながら、思わず全身に力が入っちゃう。


 小さく息を吐いて力を抜くと、続けて言う。


「わたし、中学に入ったら野球部のマネージャーをしたいってずっと思ってて……だから、その夢を叶えるために、どうしても野球部を作りたいの」


 ウソは言ってないよ?

 だって、竜崎監督の元でマネージャーをやろうと思ってたのは、本当だし。


「……ふーん。そっか」

 そう言ったきり、有沢くんは黙りこんでしまった。