アオハル☆ベースボール

 部活動説明会のとき、立ちあがって抗議してたのって、いったい何組の誰⁉

 顔も名前もわからないのに、どうやって集めるつもり?


 しかも、今月中に一勝しろって……対戦相手が三年生を出してきたらどーすんの⁉


 こんなの、冷静に考えたら、絶対にムリだってわかるはずなのに。

 なんであんな約束しちゃったんだろ、わたし。


 ほんとにほんとにどーすんのよ~‼


 思わず頭を抱えて廊下の真ん中でしゃがみ込もうとして、ずっと胸に抱えていたノートが、バサバサッと廊下に落ちて広がった。


 ……海野先生にノートを届けるのも忘れてるし。

 ほんと、なにやってるんだろ、わたし。


 泣きそうになりながらノートを拾っていたら、前から歩いてきた人が、しゃがんで一緒にノートを拾ってくれた。


「すみません。ありがとうございます」

 弱っているときの親切に、またじわっと涙が込みあげてくる。


 けど、涙でぼやけた視界でその人物の上履きをとらえた瞬間、ひゅっと涙が引っ込んだ。

 上履きの色は、一年生の学年カラーの緑。そして、上履きに書かれていた名前は――。


「有沢くん!」

 ノートを拾う有沢くんの腕を、あいている方の手でがしっとつかむ。


「うわっ! な、なに?」

 驚きの声をあげた有沢くんが、ノートを拾う手を止め、わたしの方を見る。


「あのっ、や、や、や……」

「『や』?」

 有沢くんが、小さく首をかしげる。


「や……野球、やりませんか⁉」