野球、やりませんか⁉

 これから先、わたしがこの野球部にいたら、間違いなくみんなの足を引っ張ってしまう。

 市大会ベスト4の実力を間近で見て、その人たちに対等に食らいついていくみんなの実力も見て、イヤというほどそのことを思い知らされた。

『やらずに諦めたくない』『もう一度野球をやらせてほしい』なんてお母さんにはカッコいいこと言っちゃったけど……やっぱりずっとここにはいられないよ。


「でも今日、棚橋は棚橋のやるべき仕事をちゃんとしてくれた。だから勝てたんだよ」


 そう言ってくれるのは、本当にうれしい。

 けど、有沢くんたちが全国の舞台に立っている姿はイメージできるのに、わたしがみんなと一緒にそこにいるイメージはどうしてもできないんだ。


 今回わたしが試合に出たのは……そう。あくまでも応急処置っていうか、そんな感じ。

 中山くんだって、控えのピッチャーとしてだけじゃなく、これからセカンドとしてちゃんと練習を積んでいけば、わたしなんかよりきっとずっと大きな戦力になるはず。


 みんなと久しぶりに野球ができて、本当に楽しかった。

 だからこそ、わたしはマネージャーに戻らなくちゃいけないんだ。


 顔をうつむかせて歩いていたら、「はぁーー」と大きなため息が聞こえてきた。


 隣を見たけど、有沢くんがいない……?