クールな年下男子と、甘い恋を。

「…………」
 怯んでしまいそうになったけれど、私はぐっと息を飲み込み、胸を張った。
 努めて笑顔を作り、漣里くんに向かって言う。

「どうしたの?」
「ちょっと話があるから、来て」
「真白に何する気。話があるっていうならここで言いなさいよ」
 私が同意するよりも早く、みーこが漣里くんの前に立ち塞がった。

「あんたの悪評は聞いてるんだから。中学のときに自分をふった女子を階段から突き落としたんでしょ?」
「ちょっと、みーこ――!」
「時海《うち》に入学して早々、五組の野田たちを殴ったのよね? そんな危ない奴と友達を二人きりになんてできるわけないじゃない」
「待って! その噂は全部嘘、誤解だから! 私の彼氏は漣里くんなんだよ!!」
 私はみーこの腕を掴んで叫んだ。

 ああ、しまった。失敗した。
 途方もなく大きな後悔が胸を焼く。
 人生で初めての彼氏ができた。
 それは私にとって特別な、大事な出来事。

 だからこそ、親友のみーこには直接会って、出会ったときの顛末とか、漣里くんがどんなに優しい人なのかを話そうと思っていたのに。
 こんなことになるならもったいぶってないで、全部話しておけば良かった。
 この事態を招いたのは、私の責任だ。