クールな年下男子と、甘い恋を。

「あんな馬鹿のことなんてどうでもいいのよ。それよりあんたのことでしょ? 彼氏できたんでしょ、誰なの!?」
 みーこは興奮気味にまくしたてた。
 多くの女子の例に漏れず、さばさばした性格のみーこも人の恋話は大好きだ。
 夏休みに電話で彼氏ができたことを報告すると、彼女は全力で食いついてきた。
 詳しくは会ったら話すと答えたから、気になって仕方なかったみたい。

「あ、うん、えーとね」
 気迫に押され、両手で彼女をガードしつつ一歩下がる。
「名前は成瀬――」
 その名前を答えようとした、そのときだった。

「深森さん」
 低く透き通った声が耳に届いた。
 みーこと揃ってそちらを見れば、葵先輩が立っていた。
 葵先輩の斜め後ろには漣里くんもいる。

 漣里くんはじっと、無表情に私を見た。
 視線が合ってもにこりともしないのは彼らしいというか、なんというか。

 ……あれ?
 そこで私は、違和感を覚えた。
 漣里くんに愛想がないのはいつものことだけど、今日は特別にその眼差しが冷たく感じる。

 まるで、交流を拒絶するような瞳だ。
 話しかけるなと言われている気分。