「もう足は大丈夫なの?」
「うん、すっかり。この通り」
左足のつま先で地面を軽く叩いてみせる。
「そっか、それは何より」
みーこは明るく、にっと笑った。
「そっちは? 山田くんと海に行ったんだよね? どうだった?」
「それがねー、最低なのよあいつっ!」
みーこは手を持ち上げ、身体の脇で握り締めた。
硬く握り締められた拳はぷるぷる震えている。
その美しい顔《かんばせ》に浮き上がっているのは紛うことなく、怒りの血管。
……あれ? おかしいな。
浜辺で水を掛け合ったり、夕陽をバックにキスとかそういうロマンチックなエピソードが聞けるかと思ったのに、みーこさんったら、般若のような形相になってしまいましたよ?
「隣にこーんな可愛い理想の彼女がいるっていうのに、あいつはGカップくらいのおねーさんの胸をガン見してんのよガン見! しかも私が見てないと思って、美女に誘われてほいほいついていくし! 帰ってきたかと思えば私の胸を見てため息つきやがったのよ!? あんまり腹立つから堤防に誘い出して海に蹴り落としてやったわ」
「海に蹴り落と……って、大丈夫だったの? 山田くん」
「あれくらいで溺れるようなら水泳部を名乗る資格はないわよっ。ほんっとに信じらんないんだからあいつ。いま絶賛絶交中なの!」
「絶賛絶交中……?」
聞いたことのない言葉だ。
「うん、すっかり。この通り」
左足のつま先で地面を軽く叩いてみせる。
「そっか、それは何より」
みーこは明るく、にっと笑った。
「そっちは? 山田くんと海に行ったんだよね? どうだった?」
「それがねー、最低なのよあいつっ!」
みーこは手を持ち上げ、身体の脇で握り締めた。
硬く握り締められた拳はぷるぷる震えている。
その美しい顔《かんばせ》に浮き上がっているのは紛うことなく、怒りの血管。
……あれ? おかしいな。
浜辺で水を掛け合ったり、夕陽をバックにキスとかそういうロマンチックなエピソードが聞けるかと思ったのに、みーこさんったら、般若のような形相になってしまいましたよ?
「隣にこーんな可愛い理想の彼女がいるっていうのに、あいつはGカップくらいのおねーさんの胸をガン見してんのよガン見! しかも私が見てないと思って、美女に誘われてほいほいついていくし! 帰ってきたかと思えば私の胸を見てため息つきやがったのよ!? あんまり腹立つから堤防に誘い出して海に蹴り落としてやったわ」
「海に蹴り落と……って、大丈夫だったの? 山田くん」
「あれくらいで溺れるようなら水泳部を名乗る資格はないわよっ。ほんっとに信じらんないんだからあいつ。いま絶賛絶交中なの!」
「絶賛絶交中……?」
聞いたことのない言葉だ。


